お米作りの現状を考える

先日、あらたえファームの田んぼの稲刈りが行われました。写真はその時の作業風景です。コンバインで一気に刈り取り、刈り残した所は手作業で刈り取っていきます。


それに対して、我が貧乏法人のあわたまは、トラクターや耕運機などはありませんし、よそに頼む人件費もかけられないので、下の写真の様に昔ながらの道具を使って全て手作業で、時間と手間をかけて少し(自家消費分)の稲を育てます。

今、日本の稲作は、とても厳しい現状です。米の消費がピークの昭和37年度には1人当たりの年間消費量が 118kgだったのが、平成30年度には、その半分以下の53.5kgにまで減少しています。また、米の需要量は毎年約10万トンずつの減少傾向にあります。日本人の米離れが、作付け面積の減少に繋がっているのも理由のひとつです。

今年、ウクライナでの戦争の影響で、世界的に小麦粉の流通が厳しくなり、小麦粉の価格が上がっている事から、米粉にシフトして製品作りをするお店が増えてきました。米粉のパンやうどんやお好み焼きなど、もっちりとした食感が好評の様です。これを機に米の消費量が上がると良いのですが。

さて、米を生産するのに問題なのは、雑草と病気と害虫です。今、日本で流通してスーパーなどで並んでいる米は、ほぼそれらに対する農薬が使われています。まず最初に除草剤を入れます。それで田植えした稲が枯れることはなく、稲の成長を阻害する草を生やさないためのものです。

あわたまの様に無農薬の自然農法で育てる田んぼでは、除草剤は使わないので、ひたすら草抜きの日々です。それから、稲の病気の中で最も被害が大きいのは、いもち病です。菌糸が毒素を出しながら、稲の表皮細胞を破って侵入し、葉や穂を枯らします。広がってしまうと全滅する事もあるので、皆さん農薬を散布します。そして、虫の被害です。ここ数年カメムシが大発生しており、米が固まる前の稲穂にびっしりついてエキスを吸い取ってしまいます。なので皆さんは、害虫駆除の消毒をします。あわたまでは、災害で断水やポンプの電力が停止して水が供給できなくても、水なしで栽培できる陸稲(おかぼ)を不耕起栽培で育てる実験を湿地でしていたのですが、2年連続でカメムシにやられて米が全滅して、今年はさらにカメムシが増えるとの事だったので、植えませんでした。カメムシも安心安全な田んぼに集まってきてしまうのですね…唐辛子たっぷりハーブの自家製虫除けスプレーをかけて、カメムシを稲から引き離しても、次の日には、またびっしりくっついているので、今後どうしたものか頭が痛いです…。

と言うわけで、あらたえファームの米は、除草剤とカメムシの消毒はしているので(世の中に出回っているお米よりは、減農薬のお米になります)それを踏まえた上で、購入希望の方は、ご連絡下さい。令和3年の備蓄米と今年の新米があり、品種は『コシヒカリ』で、味の特徴は『粘りがあって甘い』です。下記のリンク先あわたまお問合せいただければ、2kg・5kg・10kgの価格と送料をお伝えいたします。

最後にあらたえファームの木村代表に、「なぜ、あらたえファームや阿波スピンドルの社員のためのお米を備蓄しているのですか?」とお聞きすると、「備蓄米は、社員だけでなくご近所さんの分も出来ればと思ってます。備蓄米を食べなければならない時は、何らかの危機に対して立ち向かう時となります。みんなで一緒にまずは、にぎりメシを腹一杯食い団結しなければならないと思います。立ち向かうのは、それからですね(笑)。みんなが団結し、諦めなければ必ず危機を乗り越えられる! と信じています。」とのお答えでした。地域の為の備蓄大切です。

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