木村代表へ質問シリーズ①         あらたえファーム設立のきっかけとは!?

令和元年の大嘗祭に麻の織物を調進するための麁服事業を進めている期間は、よく忌部神社へ行く機会がありました。

 忌部神社から眺める吉野川を望む景観は素晴らしく、忌部の里を一望に見渡す事が出来ます。私が幼い頃には、田畑に収穫を待つ季節折々の農作物が広がっていました。しかし、令和元年に見た景色は一変し、ソーラーパネルや雑木林に変貌しており、昔の姿は消えていました。


現状は耕作を続けることができず荒れ地になっていたり、田畑を維持できず発電業者に売り渡している、とお聞きしました。それまで私は、仕事で出張が多く地元とは疎遠な生活を送っておりましたが、自身が地域と関わりその姿と向き合った時その現状に愕然といたしました。

農業に関わっている人口が減少している上に高齢化問題、特にこれからの減少が顕著に現れてくると知ったとき、大嘗祭の麁服調進を進めながら次代の麁服調進は大丈夫なのだろうかと不安が湧きあがって参りました。

平成二年に麁服調進を行った山川町と木屋平の人口は、現在の人口と比較すると大幅に減少しております。今後、更なる減少が見込まれる状況に於いて、この忌部の地を守っていく事が出来るのだろうか、現在のコミュニティーを維持できるのだろうかと考えたとき、この状況をどうにか改善しなければと思っていました。

令和の麁服調進も落ち着いた平成二年、この思いが沸々と沸き上がり今自分が出来ることは何かなと考えたとき、自分自身が農業もやらずに何がわかるのかと思い、まず忌部の地で野菜づくりから始めました。ブロッコリーやニンニク、ネギやじゃがいもなどをつくり出荷いたしました。令和二年には、耕作面積を少し増やしお米や糖度の高いスイートコーン「甘甘娘」(かんかんむすめ)を出荷する事が出来ました。農薬を殆ど使用しない作物を作ることが出来はじめ、これからは「無農薬の作物で食の安全」「地域の土地やコミュニティーの維持発展」「新たな雇用の創出」が出来ればという思いから、令和三年の10月に農業法人「あらたえファーム」を立ち上げました。

これからの活動を暖かく見守ってください。